リード文
顔には、毎日、美容液を。
その習慣を、私たちはもう疑いません。朝と夜、鏡の前で数分を使うことは、特別なことではなくなりました。
では、頭皮には。
同じ皮膚でありながら、そこにだけは、美容という言葉がまだ届いていません。この記事は、その空白について書かれています。
01. 頭皮美容という、新しい言葉
頭皮美容。
聞き慣れない言葉かもしれません。それもそのはずで、これは私たちが輪郭を与えようとしている、新しい美容のカテゴリーです。
ヘアケアではありません。ヘアケアは、髪という「すでに生まれ出たもの」を整える技術です。トリートメント、オイル、ヘアマスク。それらはみな、毛先に向かって語りかけます。
スカルプケアとも、少し違います。スカルプケアという言葉には、どこか「対処」の気配があります。何かが起きてから、あるいは起きそうだと感じてから、手を伸ばすもの。悩みが前提になっている言葉です。
頭皮美容は、そのどちらでもありません。
悩んでいなくても、続ける。 問題がなくても、整える。 それが習慣であることに、理由を求めない。
顔のスキンケアが、まさにそうであるように。私たちは肌に異常があるから化粧水をつけるのではありません。何もなくても、毎晩つけます。それが美容という営みの本質です。
頭皮に、その視点を持ち込むこと。それが頭皮美容です。
02. なぜ、私たちは顔で美容を終わらせてきたのか
理由は、単純です。
見えないから。
頭皮は、髪に覆われています。鏡を見ても、そこに映るのは髪であって、頭皮ではありません。日々の身支度のなかで、私たちが自分の頭皮と目を合わせる機会は、ほとんどありません。
美容は、視線から始まります。目に入るものを、人は気にかける。目に入らないものは、意識の外に置かれる。頬のきめ細かさには気づいても、分け目の乾きには気づか


